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体に直接貼る生体情報センサーの開発に成功
~粘着性ゲルによって、動いてもセンサーが剥がれない~

資 料
プレスリーリース資料 pdf (516KB)
記者会見ハンドアウト pdf (2.8MB)
写 真
  高解像度 低解像度  
写真1 135KB 新型のシート型センサーは、極薄高分子フィルム上に有機トランジスター集積回路を作製した後で、電極部分だけに粘着性ゲルを形成して作製されます
写真2 514KB 新型のシート型センサー。風船に貼り付けて、100%圧縮しても、壊れませんでした。
写真3 441KB 新型のシート型センサー。風船に貼り付けて、100%圧縮しても、壊れませんでした。
写真4 227KB 生体適合性に優れ、粘着性があり、光で形成できる新型ゲル。新型ゲルは、ひとの掌の形に追従して貼ることができます。また、新型ゲルの上に100円玉をのせて掌を振っても、ふり落ちないくらい表面に粘着性を有しています。
写真5 270KB 人の指に貼ったひずみセンサー。ひずみセンサーは薄くてしなやかであり、指にぴったりと密着させて貼り付けることができます。指の動きにより大きなひずみが加わっても、剥がれたり、壊れたりしません。
内容

JST 戦略的創造研究推進事業において、東京大学 大学院工学系研究科の染谷 隆夫  教授、リー・ソンウォン 博士研究員らは、粘着性のゲルを開発し、湿布のように体に貼り付けるだけで生体情報を計測できるシート型センサーの作製に成功しました。
ビッグデータなど情報通信技術の目覚ましい発展に伴い、生体情報を計測する技術の重要性が増しています。計測の精度を良くするためには、センサーを測定対象に直接接触させることが理想的で、近年、センサーを生体に直接貼り付けた際の装着感や違和感を低減するために、高分子フィルムなど柔らかい素材の上に電子部品を作製する研究が活発に進められています。なかでも、生体に直接接触するセンサーの表面には、生体との親和性や粘着性など高度な性能を実現することが求められていました。
研究グループは、生体適合性に優れる素材だけで、粘着性があり、かつ光で特定のかたちに形成できるゲルを作ることに成功しました。このゲルを応用して、湿布のように体に貼り付けるだけで生体情報の計測を行うことのできるシート型センサーを実現しました。このシート型センサーは、人間の皮膚やラットの心臓の表面に直接貼り付けて、ひずみのような物理量や心電など生理電気信号を計測することができます。表面に粘着性があるため、ダイナミックに対象物の表面が動いても、シート型センサーは表面からずれたり取れたりすることなく長時間安定に計測が可能となりました。
今回の研究により、湿布や絆創膏のように体に直接貼り付けるシート型センサーを使って生体情報を計測する技術が一層発展し、ヘルスケア、スポーツ、医療、福祉など多方面で活用されることが期待されます。
本研究成果は、2014年12月19日(英国時間)に「Nature Communications」誌で公開されました。

問い合わせ先

染谷 隆夫(ソメヤ タカオ) 東京大学 大学院工学系研究科 電気系工学専攻 教授
〒113-8656 東京都文京区本郷 7-3-1
Tel:03-5841-0411/6756 Fax:03-5841-6709 E-mail:someya@@ee.t.u-tokyo.ac.jp URL:http://www.ntech.t.u-tokyo.ac.jp/

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