世界最軽量、世界最薄の柔らかい有機LED(発光ダイオード)の開発に成功
~あらゆる曲面に貼り付けられる有機LED照明、電子看板、ヘルスケア・センサーの新しい光源への応用が期待 ~
資 料
プレスリーリース資料 | pdf (425KB) |
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記者説明補足資料 | pdf (4.3MB) |
写 真
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ムービー
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内容
JST 課題達成型基礎研究の一環として、東京大学 大学院工学系研究科の染谷 隆夫 教授、関谷 毅 准教授らは、世界最軽量(3g/m2)で最薄(2マイクロメートル:マイクロは100万分の1)のくしゃくしゃに折り曲げても動作する新しい光源として“超薄膜有機LED(発光ダイオード)の開発”に成功しました。
近年、有機LEDディスプレイや有機LED照明が実用化され、さまざまな生活のシーンで使われています。有機LEDは、従来のLEDに比べて消費電力、色再現性、応答速度の点で優れており、今後いろいろな応用が期待されています。このような背景の中、有機LEDの更なる軽量化、薄膜化が求められています。
本研究グループは、厚さ1.4マイクロメートルの極薄の高分子フィルムに、有機半導体材料を積層する独自の作製技術を確立し、世界最軽量で最薄の柔らかい有機LEDの作製に成功しました。開発の決め手は、表面が粗い1マイクロメートル級の高分子フィルムに、ダメージを与えずに有機LEDを製造する低温プロセスです。より具体的には、高エネルギープロセスが必要な酸化インジウムスズ(ITO)の透明電極を利用せず、低温かつ低損失で形成可能な導電性高分子を電極(陽極)に活用しました。この有機LEDは、超薄型であるにもかかわらず、くしゃくしゃに折り曲げても動作します。最小曲げ半径10マイクロメートルを達成しました。輝度は100カンデラ/平方メートルです。さらに、柔らかい伸縮可能なゴムの上に有機LEDフィルムを貼り付けることで、伸縮自在なLEDの開発に成功いたしました。
今回の研究により、柔らかい有機LEDの超軽量化・超薄型化が達成されたことで、今後、あらゆる曲面に張り付けられる有機LED照明、有機LEDディスプレイ、装着感のないヘルスケア・センサー用途の光源など多方面への応用が期待されます。
本研究成果は、2013年7月28日18時(英国時間)に「Nature Photonics」誌のオンライン速報版で公開されます。
本成果は、以下の事業・研究プロジェクトによって得られました。
戦略的創造研究推進事業 ERATO型研究
研究プロジェクト:「染谷生体調和エレクトロニクスプロジェクト」
研究総括:染谷 隆夫(東京大学 大学院工学系研究科 教授)
研究期間:平成23年8月〜平成29年3月
上記研究プロジェクトでは、シリコンに代表される従来の無機材料に代わり、柔らかく、かつ生体との適合が期待できる有機材料に着目し、生体とエレクトロニクスを強く調和させ融合する全く新しいデバイスの開発の実現を目指しています。
問い合わせ先
染谷 隆夫(ソメヤ タカオ) 東京大学 大学院工学系研究科 電気系工学専攻 教授
〒113-8656 東京都文京区本郷 7-3-1
Tel:03-5841-0411/6756 Fax:03-5841-6709 E-mail:someya@@ee.t.u-tokyo.ac.jp URL:http://www.ntech.t.u-tokyo.ac.jp/
関谷 毅(セキタニ ツヨシ) 東京大学 大学院工学系研究科 電気系工学専攻 准教授
〒113-8656 東京都文京区本郷 7-3-1
Tel:03-5841-0413 Fax:03-5841-6709 E-mail:sekitani@@ee.t.u-tokyo.ac.jp URL:http://www.ntech.t.u-tokyo.ac.jp/
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