第1回研究会:東京大学染谷研究室のフレキシブルバイオデバイスの研究成果、ブレインマシンインターフェイス、デジタルヘルスケアの将来展望など6件の講演。

主催

一般財団法人 総合研究奨励会 フレキシブル医療IT研究会

共催

独立行政法人 科学技術振興機構
JST ERATO 染谷生体調和エレクトロニクスプロジェクト

開催日時

平成25年10月15日(火曜日)13時~17時30分

会場

東京大学 弥生講堂 一条ホール
113-8657 東京都文京区弥生1丁目1−1
東京メトロ 東大前駅(南北線) 徒歩1分、東京メトロ 根津駅(千代田線) 徒歩8分

参加費

無料 (要・参加申し込み。先着順。定員150名。)

プログラム

PROGRAM

染谷隆夫(東京大学大学院工学系研究科)

生体調和エレクトロニクスとフレキシブル医療IT

日本では本格的な少子高齢化時代の到来を迎え、ヘルスケア・医療分野におけるエレクトロニクスの重要性は年々増している。ところが、ヘルスケアや医療用途のセンサや電子回路は硬い電子素材で作られてきたので、生体との親和性が良くない。筆者らの研究グループでは、柔らかい電子素材を活用することによって、柔らかい電子素材で人との親和性が高いエレクトロニクスの実現を目指している。最近、厚さ1μm級の高分子フィルム上に、有機トランジスタ、有機LED、有機太陽電池を製造することに成功し、世界最薄・最軽量を達成した。これによって、世界最小曲げ半径(5μm以下)を達成するなど、有機デバイスの驚異的な柔軟性を実証した。さらに、有機デバイスの軽量性・薄型性・柔軟性を活用して、装着感のない筋電計測シートなどの開発に成功した。本講演では、超薄型の有機デバイスの技術詳細と、そのヘルスケア・医療分野における応用可能性について述べる。

平田雅之 (大阪大学大学院医学系研究科)

埋込型ブレインマシンインターフェースによる脳機能支援
~患者の頭蓋・脳形状にフィットする埋込医療機器~

私たちはブレインマシンインターフェース技術を用いて、脳表面から直接計測した高精度の脳波を解読してロボットアームや意思伝達装置を操作 する技術の開発に成功しました。こうした技術を在宅で長期間利用できるようにするため、現在ワイヤレス体内埋込装置の開発をおこなっていま す。将来埋込医療機器においても患者個々人の特性に合わせたものが要求されるとの考えのもと、この装置では患者個々人の脳表面形状にフィット する多チャンネル脳表電極や個々人の頭蓋形状に合わせた人工頭蓋骨兼用体内埋込ケーシングを開発しました。

小谷卓也(日経BP社日経ヘルスケアデジタルヘルス)

デジタルヘルスを産業に ~テクノロジーで拓く新市場~

さまざまな要素技術を活用して医療・健康・介護の分野にイノベーションを起こす――。こうした「デジタルヘルス」の分野は、今後の国内産業を牽引する新たな柱となる。これまでの取材などに基づき、実際の現場で起きているムーブメントやポイントとなるキーワード、デジタルヘルス産業化の条件などを紹介する。

小野寺宏(国立病院機構本部北海道東北ブロック研究室)

再生医療のための新技術創出
~インテリジェント細胞足場と臓器透明化技術~

前田龍太郎(産業技術総合研究所)

センサネットワークと省エネ、安全安心への応用

MEMS技術は現在自動車や情報端末のユーザインタフェース向上技術として利用されており、今後はセンサネットワークへの応用が期待されている。本講演では取り付けやすく、バッテリー交換頻度の低いセンサ端末について解説し、省エネや安全安心への応用について紹介する。

太田淳(奈良先端科学技術大学院大学)

CMOSイメージセンサの生体内埋植デバイスへの応用

半導体集積回路技術の微細化に伴い、高性能化が進展しているCMOSイメージセンサは、デジタルカメラ、スマートフォン搭載カメラなどコンシューマ用途から近年バイオ医療用当への応用が進められている。特に小型、高機能、低消費電力などの特徴は生体内埋植イメージングデバイスへの応用が期待される。本講演では、CMOSイメージセンサのバイオ医療応用の最新動向について概観するとともに、生体内埋植デバイスの応用として講演者のグループが進めている人工視覚とマウス脳内埋植イメージングデバイスを紹介する。 講演会終了後、懇親会(17時30分~19時30分)を開催いたします。懇親会の参加費は無料です。